神代植物公園とは?
調布市にある「神代植物公園」は、敷地面積約48万平方メートルと、植物公園としては都内最大級を誇ります。武蔵野の面影が残る広大な園内には約4,800種類、10万株にもおよぶ植物が植えられています。本園と水性植物園、植物多様センターなどの施設があり、1年を通じて美しい花々や草木の姿を楽しむことができます。
また、春と秋のバラフェスタをはじめとする四季折々のイベントも、神代植物公園の魅力です。園芸ファンはもちろん、多くの人々が訪れる人気スポットとなっています。
本園には、「正門」と「深大寺門」の2つの入り口があります。本園とその南東にある水性植物園に挟まれるようにあるのは「深大寺」です。深大寺は日本三大だるま市の1つ「深大寺だるま市」でも知られている歴史あるお寺で、調布市の人気観光スポットでもあります。神代植物公園散策と合わせてお参りするのもおすすめです。
- 正門
車で公園を訪れる場合や、植物多様性センターから本園に入る場合は、正門を利用するのが便利です。つつじ園やしゃくなげ園、大温室に近い位置にあります。 - 深大寺門
水生植物園や深大寺を訪れてから本園に入るのであれば、深大寺門が便利です。深大寺の北門を出るとすぐです。入ると左手には雑木林があります。また、うめ園、つばき・さざんか園などが近くです。
神代植物公園の歴史
戦前には東京の街路樹などを育てるための苗圃(びょうほ)だったこの地は、戦後になると「神代緑地」として一般に公開されるようになりました。そして、1961(昭和36)年には名前を現在の「神代植物公園」と改められ、都内唯一の植物公園として開園したという歴史があります。
その後、1984(昭和59)年には大温室が開館、またその翌年には水生植物園が開園しました。大温室は2016(平成28)年にはリニューアルされ、熱帯地域の珍しい植物や色鮮やかな花々の鑑賞が楽しめるようになりました。
見どころ
本園
ばら園
神代植物公園では様々なバラの花が見られます。大温室の手前に広がるのはメインの「ばら園」。シンメトリックで一段低く設計された沈床式庭園となっています。噴水や彫刻もあって、まるでヨーロッパにいるような雰囲気でバラ鑑賞が楽しめます。春は5月下旬ごろ、秋は10月中旬ごろの年に2回、見ごろを迎えます。
春バラは409品種・約5,200本、秋バラは約300品種・約5,000本と、色々な品種のバラの花が咲きほこる景色は必見です。見頃の時期に合わせて「バラフェスタ」も開催され、多くの人でにぎわいます。
ほかにも「野生種・オールドローズ園」では、貴重な野生種のバラやオールドローズが見られます。世界的なバラ育種家として知られる鈴木省三氏が世界各地から集めたバラを育てている「東京都立園芸高校バラ園」から接ぎ穂を譲り受け、公園で接ぎ木苗を作ったものが植栽されています。
また、国際ばら新品種コンクール(JRC)に世界各国から出品された、未発表のバラの試作や審査を行うために設けられた「国際ばらコンクール花壇」もあります。入賞したバラは、ばら園の大温室側に植栽されているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
大温室
本園の正門から入って右に歩いて行くとガラス張りの「大温室」があります。熱帯の花木室、熱帯スイレン室、ベゴニア室、ラン室、小笠原植物室、乾燥地植物室と、テーマごとに分かれていて、約1,300品種もの植物が育てられています。普段なかなか見ることのできない珍しい植物も多く、年間を通じて様々な花が咲くのも温室ならではでしょう。
「ベゴニア室」は、赤やオレンジ、黄色のカラフルなベゴニアの花が咲く様子が華やかで、人気のフォトスポットとなっています。ほかにも珍しい色合いの花や、たくさんの花が付いて豪華なランなど、たくさん写真に収めてみてください。
つつじ園
正門を入るとすぐにあるのが「つつじ園」で、約280品種・12,000株ものツツジやサツキが植えられています。毎年4月下旬から5月上旬頃に見ごろを迎えると、赤やピンク、白といった色とりどりの花々が一斉に咲き誇ります。つつじ園の隣にある「しゃくなげ園」でもほぼ同じ時期に花が咲きはじめるので、この時期は園内がより一層華やかです。
つつじ園にある見晴らし台から眺めたり、池越しに眺めたり、季節ならではの美しい景色を思い思いに楽しんでみてください。
水生植物園
本園からは深大寺を挟んで南東側の無料開放区域にある「水性植物園」。もともと深大寺の裏山から湧き出た水が集まる湿地だったところに木道などを整備した庭園で、散策しながら水生植物を観察できます。池や水路にはアシやマコモ、コガマ、セキショウといった水辺の植物が生えています。
そして、ハナショウブやカキツバタ、サクラソウ、サワギキョウなど、可憐で美しい花を咲かせる植物が植えられているほか、田んぼやソバ畑などもあります。また、園内には戦国時代の城跡「深大寺城跡」があります。2007(平成19)年にはその一部が国の史跡としても指定された、この地域の古い歴史を感じさせるスポットです。
植物多様性センター
敷地の北側、無料開放区域にある「植物多様性センター」では、東京の植物について詳しく学ぶことができます。屋外の「学習園」は3つのゾーンに分かれています。「武蔵野ゾーン」は東京中部(多摩地域)の丘陵地、大地、多摩川流域、「奥多摩ゾーン」は東京西部にある山地、そして「伊豆諸島ゾーン」は火山活動によってできた南海にうかぶ伊豆諸島と、それぞれの地域の環境を再現していて、その環境に育つ様々な植物を間近に見ることができます。
屋内の「情報館」では、東京の植物多様性や絶滅危惧種などについて、パネルや映像などで紹介されているほか、植物に関する絵本や図書などもあります。子どもたちと楽しみながら学ぶのもいいでしょう。また、情報館入口にはセンター内の植物の見ごろをマップにしたものが掲載されているので、まずこちらを訪れてから学習園を散策するのもおすすめです。
施設情報
神代植物公園
【所在地】
東京都調布市深大寺元町5-31-10
【開園時間】
9:30〜17:00
※本園の最終入園は16:00まで
※水生植物園の閉門時間は16:30
【休園日】
- 毎週月曜日(月曜日が国民の祝日や振替休日、都民の日の場合はその翌日が休園日)
- 年末年始(12月29日 〜翌年1月1日)
【料金】
- 一般・大人:500円(団体:400円)
- 65歳以上:250円(団体:200円)
- 中学生:200円(160円) ※都内在住・在学の中学生は無料
- 小学生以下無料
※団体割引は、20名以上
※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳または療育手帳持参の方と付添の方は無料
※無料公開日はみどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)
【年間パスポート】
- 一般・大人 2,500円
- 65歳以上 1,250円
【住所】東京都調布市深大寺元町5-31-10
【問い合わせ先】
神代植物公園サービスセンター
TEL:042-483-2300
神代植物公園公式ホームページはこちら
神代植物公園公式ツイッターはこちら (@ParksJindai)※植物の見ごろなどの最新情報はこちらでもご確認ください。
駐車場情報
神代植物公園には2つの駐車場があります。第一駐車場は武蔵境通り「神代植物公園北」の信号を公園方向に曲がり、約100メートル先の左側です。第二駐車場は第一駐車場からさらに東に約600メートル先右側です。満車の場合の入庫待ち駐車はできませんのでご注意ください。
【営業時間】24時間
【住所】東京都調布市深大寺北町1-4(第一駐車場)
【利用料金(普通車)】1時間まで300円、以後20分ごとに100円
※入庫後12時間最大料金 1200円(最大料金は繰り返し適用されます)
【駐車台数】第一駐車場:228台(うち身障者用3台)、第二駐車場:100台(うち身障者用2台)
※いずれも臨時駐車場有り
アクセス情報
電車・バスで行く場合
- 京王線調布駅から
小田急バス:吉祥寺駅行き(吉06)または三鷹駅行き(鷹56)「神代植物公園前」下車徒歩1分
京王バス:深大寺行き(調34)「神代植物公園」下車徒歩1分 - 京王線つつじヶ丘駅から
京王バス:深大寺行き(丘21)「神代植物公園」下車徒歩1分 - JR中央線三鷹駅から
小田急バス:調布駅北口行き(鷹56)または深大寺行き(鷹65)「神代植物公園前」下車徒歩1分 - JR中央線吉祥寺駅から
小田急バス:調布駅北口行き(吉06)または深大寺行き(吉04)「神代植物公園前」下車徒歩1分
車で行く場合
- 中央自動車道の調布インターから、新宿方面へ甲州街道に降ります。
- 「下石原交差点」を左折します。
- 「神代植物公園北」の信号を右折すると、左側に「神代植物公園第一駐車場(有料)」があります。
※行楽シーズンは駐車場が混雑するので、できるだけ公共交通機関をご利用ください。
よくある質問
- ペット同伴での入園はできますか?
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ドッグラン、無料開放区域の自由広場は、ペットを連れていくことができますが、神代植物公園本園(有料区域)、植物多様性センター、水生植物園には、ペット同伴での入園はできません。
また、ドッグランは利用登録が必要となります。登録の際は鑑札(それぞれの市区町村で登録)と当該年度の狂犬病予防注射済票(狂犬病注射済証明書(紙)は不可)が必要です。
- 車イスでの入園は可能ですか?
-
はい、可能です。サービスセンターにて車イスの貸し出しも行っています(台数には限りがあります)。詳細はサービスセンターにてご確認ください。