【増上寺】歴史あるパワースポットは見どころたくさん!ご利益や御朱印についても解説

目次

増上寺とは?

港区というビルが立ち並ぶ東京のど真ん中にあって広大な敷地をほこる「増上寺」。室町時代の1393年、現在の千代田区平河町付近である江戸貝塚の地に、酉誉聖聰上人(ゆうよしょうそうしょうにん)によって創建された浄土宗のお寺です。

1598年に現在の場所に移転し、江戸時代には徳川将軍家の菩提寺として、大隆盛を誇るお寺となりました。ただ、明治時代になると境内地が召し上げられたり、また度重なる火災と復興、そして戦災といった苦難の時代に入ります。

現在の「大殿」は、1974(昭和49)年に悲願の再建を果たしたものです。また、2011年、浄土宗の宗祖・法然上人の800年御忌という節目を迎えるにあたって、2010年に新たに建立されたのが「安国殿」です。

江戸幕府初代将軍となった徳川家康の勝負運の強さにあやかることができるパワースポットとして、昔も今も多くの参拝客でにぎわっています。また、東京の元祖シンボルタワーである「東京タワー」を広大な境内から間近に見ることができるお寺としても有名です。都内はもちろん、国内外からの観光客も多く訪れる人気のスポットとなっています。

見どころ

徳川家康にあやかれるかも!歴史あるパワースポット

増上寺は江戸に幕府を開いた初代将軍家康との深い縁があるお寺です。関東一帯を領地として治めることになった家康が、当時の住職だった源誉存応上人(げんよぞんのうしょうにん)に深く帰依したことをきっかけに、1590年、徳川家の菩提寺として選ばれたと伝えられています。また、増上寺で葬儀を行うよう遺言を残して亡くなったそうです。

家康は、増上寺の御本尊でもある阿弥陀如来を深く信仰していて、恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)が作ったという阿弥陀如来像を戦場にまで持参して拝んでいました。様々な困難を切り抜け、数々の大きな戦に勝利して天下統一という大業を成し遂げる力を与えてくれた増上寺は、勝運や仕事運、災難除けにご利益があるとされ、パワースポットとして人気です。

戦場にも持参されたという仏像は、家康自身によって「黒本尊」と名付けられたそうで、御体が黒っぽいのが特徴的。長い年月、お香の煙をまとったことによるもの、また、人々の悪事や災難を一身に受け止めたため、黒くなったのだと言われています。

家康が亡くなった後は増上寺に奉納され、江戸の庶民にも広く敬われていました。現在、秘仏として安国殿に納められています。1月(正月)・5月・9月の15日には御開帳されているので、日にちを合わせてお参りするのもいいですね。この日は午後2時から祈願会も行われています。詳細は公式ホームページにてご確認の上、お出かけください。

安国殿の奥にある「徳川家墓所」は、6人の将軍をはじめ、将軍の正室や側室、子女といった38人の墓所です。14代将軍家茂の正室で、京都からはるばる江戸の地に嫁いで波乱万丈の人生を送られた皇女・静観院和宮様のお墓もあります。特別拝観も行われているので、増上寺にお参りの際はこちらにも足を運んでみてください。

東京の新旧混じり合った景色を楽しむ

増上寺にお参りするのなら、表門である「大門」から増上寺に向かいお参りしてから、東京タワーまで歩いていくコースは特におすすめです。東京都港区という大都会の中にある増上寺の周りにはビルが立ち並んでいます。中でも、現代のビルの中に突如として目に入ってくる和の雰囲気の大門は、とても印象的です。

大門の先に見える「三門(三解脱門)」は、江戸時代初期の面影を唯一残している建物で、国の重要文化財です。そのサイズは東日本でも最大級。大門から境内の入り口である三門までの距離は約108間となっています。108は人の煩悩の数と言われていて、三門をくぐることで煩悩を捨てる意味合いがあるとか。

そして、東京のシンボルタワーの元祖とも言える「東京タワー」は、増上寺をぐるりと囲む芝公園のもみじ谷に隣接して建っています。増上寺からは歩いていけるほどで、境内は東京タワーを至近距離で眺められるスポットとしても有名です。歴史あるお寺のバックに近代的な東京タワーがそびえる景色が楽しめます。

また、東京タワーからも増上寺はほぼ真下に見ることができます。増上寺を散策した後、東京タワーに登って、上からじっくり境内を眺めてみるのもいいですね。

多彩な年中行事で季節を感じよう

増上寺は首都・東京を代表するお寺の1つであることから、国内外から多くの参拝客が年間を通して訪れる人気のスポット。中でも「初詣」と「節分」は特に多くの人出でにぎわいます。他にも「増上寺七夕まつり」、前述した秘仏の黒本尊が年3回御開帳される「正五九黒本尊祈願会」など、多彩な年中行事があります。

  • 初詣

初詣にはどの神社仏閣も多くの人で賑わいますが、増上寺は初詣の参拝客が例年約5万人と、同じく東京にある「明治神宮」や「浅草寺」と比べるとやや少なく、都内では初詣の穴場スポットとして知られています。また、境内の敷地もとても広いことから、満員電車のように混雑することはありません。

除夜の鐘は年をまたいで行われることも多いのですが、増上寺では年が変わる元日の午前0時の一番鐘から108回の鐘つきが始まります。除夜の鐘を聞きながら、本堂では新年最初の法要である「修正会(しゅうしょうえ)』が行われます。厳かな雰囲気の中、新年のお参りを済ませたら、境内に出ている露店を楽しむのもいいでしょう。

増上寺の前を通る道路は、例年1月2日、3日に開催される箱根駅伝のコースとなっているので、初詣と合わせて駅伝選手たちを応援することもできます。しかもスタート・ゴール地点の大手町も近いので、白熱したレース観戦ができること間違いなしです。

【初詣期間中の参拝時間】
大殿:12月31日 終日〜 1月1日17:30/1月2日以降 6:30〜17:30
安国殿・境内札所:12月31日 終日〜 1月1日18:00/1月2日・3日8:30 〜17:30/1月4日以降9:00〜17:00

  • 節分追儺式(せつぶんついなしき)

節分の日(例年2月3日、暦により変動あり)、増上寺では特設舞台が設けられます。裃(かみしも)姿の芸能人や各界の著名人、一般公募の年男・年女によって「豆まき」が行われます。この日まかれる福豆は、なんと1トンにも及ぶそうです。

袋詰めされていて、中には当たり券が入っているものもあります。豪華景品が当たることもあるとか。豆と一緒にお餅や袋菓子、使い捨てカイロなど色んなものもまかれるので、何を手にできるか楽しみに参加してみてください。

舞台上では「餅つき」や、幼稚園児が鬼に向かって豆まきする姿が微笑ましい「鬼問答」なども繰り広げられます。

  • 増上寺七夕まつり

7月7日の七夕に先立ち、6月の下旬になると境内には「願事書き処」が設けられます。短冊に願いを込めて飾りましょう(短冊1枚100円)。短冊に書いた願いごとは7日17時30分から行われる「七夕祈願会」でご祈願していただけます。境内に飾られた、たくさんのカラフルな短冊が見られるのもこの時期ならではの景色です。

かつての境内だった『芝公園』でのんびり過ごす

増上寺を囲む「芝公園」は、日本でも最も古い公園の1つです。江戸時代は増上寺の境内でしたが、明治6年以降は公園として解放されました。そして第二次世界大戦後、政教分離政策により増上寺から切り離されました。

増上寺を取り囲んでいる部分は「都立芝公園」です。都内最大規模の前方後円墳である「芝丸山古墳」江戸時代に測量を行い日本地図を作った伊能忠敬(いのうただたか)の功績をたたえる「伊能忠敬測地遺功表」といった史跡が点在しているのが特徴的です。

また、落差10メートルの滝もあり人工の渓谷美が楽しめる「もみじ谷」、野球場やテニスコートもあります。クスノキやケヤキ、イチョウの大木があるのも、歴史ある公園だからこそと言えるでしょう。史跡を巡りながら、季節の景色を眺めながらの散策もいいですね。

増上寺の境内南側から芝大神宮に挟まれた一角にあるのは「港区立芝公園」です。芝生が広がり開放感のある公園からは東京タワーをはじめ、都会の景色を一望できます。シートを広げてピクニックを楽しむのにもぴったりのスポットです。

増上寺施設情報

基本情報

【参拝時間】本堂:6:00〜17:30 安国殿:9:00〜17:00
【定休日】なし
【住所】東京都港区芝公園4-7-35
【TEL】03-3432-1431
※電話受付時間は9:00〜17:00
【駐車場】なし
【公式ホームページ】https://www.zojoji.or.jp/
【問い合わせ先】https://www.zojoji.or.jp/contact/

アクセス情報

【電車で行く場合】
JR線・東京モノレール「浜松町駅」から徒歩約10分
都営地下鉄三田線「御成門駅」「芝公園駅」から徒歩約3分
都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」から徒歩約5分
都営地下鉄大江戸線「赤羽橋駅」から徒歩約7分
東京メトロ日比谷線「神谷町駅」から徒歩約10分

【バスで行く場合】
富士エクスプレスバス「港区役所駅」下車徒歩約2分
都バス「東京タワー駅」下車徒歩約4分

よくある質問Q&A

どのような方法でお参りすればよいですか?

浄土宗のお寺である増上寺でお参りする時は、まず御本尊である阿弥陀如来像の前で静かに手を合わせ、一礼してから「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と10回繰り返し称えましょう。そして最後に再び一礼します。

御朱印はどこでもらうことができますか?また、古いお守りやお札を返納できますか?

御朱印は安国殿で授与されています(御朱印代:300円)。古いお守りやお札も安国殿にて返納することができます(受付時間:9:00〜17:00)。

徳川将軍家墓所の受付時間は?

【受付時間】徳川霊廟前チケット札所にて受付
平 日11:00〜15:00(最終入場14:45)
土日祝 10:00〜16:00(最終入場15:45)
【拝観料】
大人:500円
※高校生以下は無料
【定休日】毎週火曜日(祝日は拝観可)

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