北海道大学をもっと楽しむ!トーキョーさんぽガイド

目次

北海道大学とは?

北海道大学 メインストリート
北海道大学 メインストリート

「北海道大学」は、ただの大学施設ではありません。日本最大級の敷地面積を誇り、自然豊かでゆったりとした雰囲気が人気の観光名所です。雄大な農場や牧場からは、北海道の大自然を間近に感じられます。キャンパス内を流れる小川や広い芝生では人々がゆっくりと過ごしており、大学というより広い公園のようです。

また、新緑や紅葉など葉の色が際立つシーズンには、全国から観光客が訪れ、わいわいと楽しい雰囲気に変わります。キャンパス内を歩いていると、大学とは思えないほど観光客が多いことに気づきます。時期を問わずたくさんの人が訪れるため、一般的な大学にはないような活気を感じられるでしょう。

昆虫及養蚕学教室
昆虫及養蚕学教室

豊かな自然に加えて、長い歴史と伝統も多くの人が訪れる理由です。北海道大学が札幌農学校として創立された1876年、北海道は養蚕業や農業が本格始動する「開拓期」と呼ばれる最中にありました。敷地内には、この時代背景が反映された施設が多く設置されています。

たとえば1877(明治10)年に完成した札幌農学校第2農場は、まさに北海道開拓期の時代における農業を反映したもの。「バルーン・フレーム」というアメリカ中西部で普及していた建築様式が活用されており、北海道の土地や気候にマッチする、北海道の酪農業に適した模範的な施設として知られています。

また、登録有形文化財や重要文化財に指定の建造物が点在しているのも特徴で、レトロで趣のある建物を観ているだけでも十分に楽しいです。北海道だからこその「開拓」の歴史を直接見て確かめられる貴重さこそが、北海道大学が道内外から人を寄せ付ける理由でしょう。

北海道大学施設案内
北海道大学施設案内

この広大な敷地内の全施設を見て回るのはかなり大変なため、事前に気になるスポットをピックアップしておくのが良いでしょう。正門横で地図を受け取ってから観光をスタートすれば、スムーズにキャンパス内を見て回れます。

北海道大学で押さえておきたい定番スポットといえば、「ポプラ並木」「総合博物館」「エルムの森」の3箇所です。この3つのスポットは営業時間や開館時間に指定があるので、事前に公式サイトで調べておくと安心です。

また、敷地内をあちこちしっかりと見て回りたい方は、自転車レンタルサービスの「ポロクル」を利用するのもおすすめです。事前にアプリへ登録しておけば、札幌市内で気軽に自転車をレンタルできます。約40ヵ所の自転車ポートがあるので、北海道大学に限らず、札幌を観光する際はぜひ活用してみてください。

見どころ

爽やかなポプラ並木を散策

メインストリート
メインストリート

北海道大学のシンボルとして親しまれているポプラ並木は、季節によって異なる葉の色が幻想的だと評判です。自然豊かで北海道らしい爽やかな風景が特徴で、並木道をただ眺めているだけでも癒されます。

ポプラ並木への行き方として、北12条門から向かう場合は銀杏並木の通りを通過することになります。正門から向かう場合は銀杏並木を通りませんが、時間がある方は立ち寄ってみるのもおすすめです。

この銀杏並木は自然豊かなスポットとして評判で、特に秋が最も美しいとされています。鮮やかな銀杏が一面を黄色く輝かせる絵画のような光景は、北海道大学観光で確実に押さえておきたいコースです。この通りの長さは約1.2kmあり、景色を眺めながら散歩をするには最適な距離。ポプラ並木への道中では、銀杏並木の美しさもぜひ堪能してみてください。

ポプラ並木
ポプラ並木

1903年、札幌農学校(現北海道大学)の校長がポプラ並木の苗をアメリカから持ってきたことが始まり。台風の影響で木が何度も倒れましたが、その都度、市民たちが協力して立て直してきました。あまりの美しさから、休日や天気の良い日にはポプラ並木の絵を描きに訪れる地域の画家もいるほど。

また、すぐ近くには寒冷な北海道の気候ならではの植物に出会える花木園もあり、ポプラ並木とセットで楽しむ方も少なくありません。運が良ければ野鳥の姿を眺めることもでき、動植物に囲まれて心を癒すことが可能です。

夏のポプラ並木
夏のポプラ並木

訪れる季節によって姿が異なる点がポプラ並木の魅力ですが、特におすすめの時期といえば夏でしょう。夏になると青々とした葉が明るく快活な空気を作り出し、並木道の合間から見える農場の光景は牧歌的で平和。緑豊かで雄大な北海道の光景に出会えることこそ、夏のポプラ並木の良さだと言えるかもしれません。

一方で冬は、夏とはまた違った北海道らしさを楽しめるのが魅力です。雪が積もった後の白銀ポプラの木々は、絵本の世界のような幻想的な光景です。雪が積もる時期は観光客も少ないため、ほかの観光客に邪魔されず静かに景色を楽しめます。自然の美しさを思いっきり堪能したいなら、このポプラ並木は見逃せません。

北海道の歴史や学問を知れる博物館

北海道大学総合博物館
北海道大学総合博物館

クラーク像の近くに、一際目を惹くモダン・ゴシック調の重厚な建物があります。同施設は、北海道大学の歴史や研究に関する展示がある総合博物館です。1929年に建設された北海道大学内で最古の鉄筋コンクリートの建造物で、当初は博物館ではなく理学部を創設するために設けられました。

レトロな外観も魅力的ですが、さらに気になるのが玄関前に設置された少しユニークなウッドデッキ。訪れた人々が憩いの場として利用できるようにと、北海道大学の関係者が作りました。実際に現在も、教職員や学生、観光客たちがウッドデッキに座りながら会話を楽しんでいる光景を見かけます。

北海道大学の歴史
北海道大学の歴史

らせん状の階段を登った先にあるのは、吹き抜けの白い天井ドーム「アインシュタイン・ドーム」。博物館が建設された当初からある密かな注目ポイントでもあるので、ぜひチェックしてみてください。

館内には、北海道大学の歴史や研究に関するパネル、さらに実際の研究成果の展示物などが並びます。歴史コーナーでは、北海道大学の誕生から現在までの流れや、創立に関与した著名人の功績などを見学可能。北海道大学といえばクラーク博士が有名ですが、やはり彼の功績に関するコーナーが人気です。

創立当初から英語教育やリベラリズムに注力してきた北海道大学ですが、クラーク博士が異国の価値観や文化を積極的に採用したことが関係しているといわれています。

北海道大学から世界的な研究者が多く輩出されているのには、このクラーク博士による方針が影響を与えているのは間違いありません。歴史コーナーには北海道の政治や産業に関する展示もあるので、ぜひチェックしてみてください。

北海道大学の研究
北海道大学の研究

国内トップクラスの研究機関である北海道大学では、研究の成果や知見についてユニークな展示物で知識を深められます。北海道といえば宇宙産業が盛んですが、衛生やロケットに関する研究も興味深いもの。さらに、北海道が持つ独特の地形だからこそできる農業や、先住民族であるアイヌ文化など、エリア独自の情報を得られるのも魅力でしょう。

館内のあちこちに体験型の仕掛けがあるので、子どもから大人まで飽きることがありません。館内を一通り見て回った後は、ショップで北海道大学にしかない限定商品を購入するのも良いでしょう。

食堂の名物ランチを堪能

エルムの森カフェ
エルムの森カフェ

北海道大学のあまり知られていない楽しみ方として、食堂のランチが挙げられます。北海道らしさが満載なメニューも多いので、広い敷地を歩いて小腹が空いたときはぜひ味わってみてください。複数あるグルメスポットのなかでも、確実に外せないのが「エルムの森」。正門を入ってすぐの場所に位置するインフォメーションセンター内にあります。

雨の日や気温が低い日は店内席、晴れた暖かい日は屋外のウッドデッキ席など、その日の天候に合わせて席を選ぶのも良いかもしれません。ピラフやパスタ、チャーハンなど定番メニューが多く、どれもおいしいと評判です。食後は、隣のショップに立ち寄ってお土産を探すのもおすすめです。

レストランエンレイソウ
レストランエンレイソウ

ポプラ並木へ訪れる方は、すぐ近くにある「エルム」という西洋レストランを利用するのも良いでしょう。大学が運営する飲食店には見えないほどゴージャスな店内で、メニューの内容も豪華です。

エルム内の「エイレンソウ」は一面ガラス張りの建物のため、窓から外を見ると木々が生い茂る自然豊かな光景を目にできるのがうれしいポイント。冬には一面雪の銀世界が広がり、夏には見られないロマンティックな景色が堪能できます。

人気メニューは「クラークカレー」で、ローストビーフと北海道のフレッシュな野菜を使った豪華さが魅力です。ほのかに甘いトマトベースの味付けなので、スパイシーな味付けが苦手な方でも問題ありません。クラーク博士の名前が由来のクラークカレーは、北海道大学に訪れた記念に確実に押さえておきたいグルメでしょう。

中央食堂
中央食堂

リーズナブルに学生気分を味わいたい方は、総合博物館のすぐ近くにある中央食堂へ足を運んでみてください。観光客にとっては博物館の見学後にすぐ立ち寄れる便利さが魅力ですが、学生によってはボリューミーなグルメを安く味わえることで人気を集めています。

丼や麺、定食などが300~500円ほどで提供されており、低価格で大学生になった気分を味わえます。目玉料理は北海道大学限定の牛トロ丼で、道産の牛トロがご飯にたっぷりと乗っているのが特徴。北海道の豊富な食材をダイレクトに堪能できる牛トロ丼は、まさに北海道の大学でしか味わえない貴重なメニューだと言えるでしょう。

見ているだけで楽しいレトロな建築や銅像

キャンパス
キャンパス

北海道大学構内にある登録有形文化財や重要文化財に指定の建造物は、どれもレトロでただ眺めているだけでも楽しいです。旧昆虫及養蚕学教室や旧農学部図書館は、白をベースにした優雅な見た目が特徴。派手すぎず上品で、造形や配色のバランスにより独特の美しさを生み出しています。敷地内では、あちこちにある情緒深い建物に目を向けてみるのもおすすめです。

古河記念講堂
古河記念講堂

特に注目の施設が古河記念講堂で、足尾銅山で利益を生み出した古河一族の「償い」として寄贈されました。古河一族が寄贈した建物はほかにもありますが、現在まで唯一残っているのが古河記念講堂です。

西洋の建築様式であるフランス・ルネッサンス様式が採用されており、真っ白で洗練された見た目が印象的です。この美しい見た目は観光客に人気で、建物の前で写真を撮影する人々の姿が目に入ります。現在は外観の見学しか行っていませんが、北海道大学の観光では確実に外せないスポットだと言えるでしょう。

クラーク像
クラーク像

「少年よ、大志を抱け」というフレーズで有名なクラーク博士の像は、広場の中央ローンとクラーク会館の中にあります。雨や雪で天候が荒れている日は、クラーク会館内にある胸像を見に行くのが良いでしょう。

クラーク博士は北海道大学を前進させたことで知られる札幌農学校の初代教頭で、1948年に胸像が造られた際は大きな話題を呼び、多くの観光客が押し寄せました。現在の北海道大学があるのはクラーク博士の貢献が大きく、北海道大学に訪れるなら人目見ておきたいスポットです。

エルムの森で北大限定商品をショッピング

エルムの森
エルムの森

北海道大学の正門すぐ近くには、観光客向けの「エルムの森」という施設があります。なかに足を踏み入れるとカフェがあり、ここでは食事やカフェタイムを満喫できます。また、お土産屋が購入できるショップや、北海道大学に関する情報を仕入れられるインフォメーションセンターもあり、観光客は確実に押さえておきたいスポットです。

自分へのご褒美や贈り物にぴったりな商品が豊富で、どれを購入しようかつい迷ってしまうほど。職場や学校用のお土産を探している方は、エルムの森へ訪れればお気に入りの商品が見つかるかもしれません。

北海道大学にはレトロな建物が多いですが、エルムの森はなかでも特におしゃれでスタイリッシュです。敷地内を歩き回って疲れたときは、休憩を目的にぜひ立ち寄ってみてください。

北海道大学限定商品
北海道大学限定商品

エルムの森には大学のロゴが入ったグッズも多く、特にパーカーやバッグやパーカーのようなファッションアイテムが好評です。「エイレンソウ」をモチーフにした北海道大学のロゴは、おしゃれで普段使いできるのがうれしいポイント。北海道大学らしさが感じられるため、記念に1点購入するのもおすすめです。

ファッション系のアイテムだけでなく、ノートやペン、クリアファイルなど文房具も充実しています。リーズナブルな価格で手が届きやすく、まとめ買いして職場や学校で配るのに向いています。北海道大学らしいグッズをお探しの方は、ロゴが入っているかどうかを基準に選ぶのも良いかもしれません。

札幌農学校クッキー
札幌農学校クッキー

北海道大学や北海道の定番土産「札幌農学校クッキー」は、全国でも知名度が高いためすでに知っている方も多いはず。濃厚なミルクに道産のしっとりとしたバター、そして小麦が使用された札幌農学校クッキーは、なめらかな口溶けが人気を集めています。サクっとした一口目の後に広がるふんわりとした甘みは、老若男女から好評です。

北海道大学が認定した商品ということもあり、売上の一部は大学の教育支援に使われているそう。定番の外さないお土産が欲しい方は、この札幌農学校クッキーは見逃せません。そのほか、お酒やロースハムなどの食料品にも大学のロゴが刻まれているので、ぜひチェックしてみてください。

施設情報

北海道大学

【見学時間】24時間見学可能(※ただ図書館や博物館など一部施設は開館時間は異なります)
【駐車場情報】専用駐車場はありません。近隣のパーキングをご利用ください。
【住所】北海道札幌市北区北8条西5丁目
【問い合わせ先】北海道大学公式ホームページはこちら

アクセス情報

最寄り駅から近い門

  • JR札幌駅:正門、南門(徒歩7分)
  • 北12条駅:北13門(徒歩4分)
  • 北18条駅:北18条門(徒歩7分)
  • さっぽろ駅:正門、南門(徒歩10分)

周辺のレンタサイクル情報

ポロクル
ポロクル

広大な敷地の北海道大学を散策する場合、体力に自信がない方は疲れてしまう可能性があります。そのため徒歩ではなく、札幌市で利用できるシェアサイクルのサービス「ポロクル」を利用するのがおすすめ。市内に点在するポートでで自転車を借り、利用が終わった後はまたポートに返却するシステムです。

札幌の中心部にはポートが40ヵ所あるため、近場のポートで自転車を借りるか、北海道大学施設内の工学部近くのポートを利用するのが良いでしょう。大通公園や札幌駅北口にもポートはあるので、北海道大学の観光を終えた後はそのまま自転車で向かって、電車に乗ったり市内観光をしたりするのも良いかもしれません。

よくある質問Q&A

何時からキャンパスを見学できますか?ガイドはありますか?

キャンパスの見学時間に指定はないので、好きなタイミングで訪れて問題ありません。早朝や夜間は見学できない施設も多いので、夕方頃までの明るい時間帯に訪れるのが良いでしょう。またガイドによる案内は行っていないので、何か気になることがある場合は、インフォメーションセンターにあるキャンパス案内のパンフレットを利用してください。

どこで食事ができますか?

食事ができるのは下記の施設です。

  • レストラン:エルム
  • カフェ:エルムの森
  • 食堂:クラーク会館、中央食堂、北18条の福利厚生会館、北21条の創成科学研究棟
図書館は使っても良いですか?

一般見学で訪れる方は、1日だけ利用できる「一日利用証」を発行してください。発行の際は、公的機関から発行された身分証明書(運転免許証、マイナンバー、保険証、パスポートなど)の提出が求められます。なお、一日利用証でできるのは閲覧のみで、貸し出しには対応していません。

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