通天閣とは?
大阪の浪速区にある「通天閣」は、大阪のシンボルとして知られる展望タワーです。足元には下町の風景が広がっており、ディープでどこか懐かしい大阪の情緒を感じられます。通天閣からすぐの新世界というエリアでは、たこ焼きやお好み焼きといった大阪グルメを楽しむことが可能です。
現在ある通天閣は2代目で、初代は新世界ルナパークの中心に明治時代最後の年である1912年に建設されました。ルナパークは、演芸場や噴水浴場、絶叫マシーンなどのアミューズメント施設から構成されるテーマパークです。
ルナパーク時代の通天閣は、パリのシンボル的存在である「凱旋門」にエッフェル塔を乗せた、現在のデザインからは想像できないデザインでした。また当時の通天閣は入り口との間にロープウェイが設置されており、パークの入り口に向かう道中で空の旅を満喫できたのも特徴です。
そんな初代通天閣は、第二次世界大戦で被災したこと、そして戦時中に不足していた鉄材を補給することなどを理由に解体します。新世界の景色が寂しくなったことで、通天閣を恋しがる地元民たちから「もう一度復活させたい」という声が上がることに。それから十数年が経った1956年、現在親しまれている2代目の通天閣が新世界に誕生しました。
「ビリケンさん」といえば通天閣の名物ですが、この独特の表情は一体何か知っているでしょうか。実は世界的に愛される「幸福の神様」がモデルだとされています。発祥については諸説ありますが、1908年にフローレンス・プリッツというアメリカの女性芸術家が「夢の中で見た神様」からインスパイアを受けて制作した作品がもとになっているそうです。
1912年に初代通天閣に併設されたルナパークへビリケン堂が誕生して以来、火災や戦禍などさまざまな困難がありましたが、現在では三代目となるビリケン像が通天閣から人々をにっこりと見守り続けています。
通天閣の魅力は、ただ登って景色を眺めるだけでなく、年代を問わず満喫できる仕掛けが盛りだくさんな点にあります。国内外からの観光客に人気のスポットで、新世界の歩んできた歴史について学べるミュージアムや、きらきらとネオンが輝く光の展望台などがあります。大阪のシンボルとも言える展望台は、大阪観光で確実に押さえておきたいスポットでしょう。
見どころ
わくわくする仕掛け盛りだくさんの展望台
体験型アトラクション「TOWER SLIDER(タワースライダー)」
大阪の街を一望できる通天閣の展望台ですが、景色を堪能するにとどまらない仕掛けが盛りだくさんです。2022年5月に登場した「タワースライダー」は、子どもから大人まで楽しめる体験型新アトラクション。2階から3階へ向かうと、入り口が見つかります。この入り口から地下1階までの全長60mにわたる滑り台を、約10秒で一気に滑り降ります。
夜はきらびやかなディスコに変わる「光の展望台」
地上84mの高さに位置する4階の展望台は、きらきらとネオンが輝く「光の展望台」です。華やかな照明やミラーボールで彩られた空間は、まさに「ヒカリモノ」に目がない大阪を象徴しています。ここでは、大阪の景色を満喫しましょう。
金がふんだんにあしらわれた「黄金の展望台」
光の展望台をさらに上がると、金が各所に散りばめられた黄金の展望台に到着します 。先ほどの光の展望台よりも高い場所から大阪の街を眺めることができ、都会のなかの「空中オアシス」として好評です。
黄金の展望台で忘れないでおきたいのが、幸福の神様として知られるビリケンさんの3代目がいることでしょう。ちなみに2代目のビリケンさんは、たくさんの人々から足を触られたことから、当初は存在しなかった土踏まずのような凹みができたそう。新しく登場したビリケンさんは、金の装飾に似合う金髪がトレードマークです。
多くのビリケンさんに出会える新世界ですが、本拠地である通天閣はやはり見逃せません。わざわざ展望台まで登って会うビリケンさんは、ほかのビリケンさんと比べてご利益がありそうです。訪れた際は、忘れずに足を撫でておくのがおすすめ。
特別屋外展望台「天望パラダイス」
地上94.5mの屋外展望台に行くためには、まず5階のインフォメーションセンターで500円を払います。屋外展望台では、風を浴びながら大阪の街を堪能できます。高所恐怖症の人にとっては、少し刺激が強いスリルのある体験に感じるかもしれません。
屋外展望台は、時間を限定して貸し切ることも可能です。貸切は2~20名で対応しており、大切な人へプロポーズをしたり、大切なイベントの団体旅行で利用したりする人が多いです。大阪のきらめく夜景を眺めながらのプロポーズは、ロマンチックすぎて素敵な思い出になること間違いありません。
通天閣特別屋外展望台「天望パラダイス」
【営業時間】10:00〜19:50(最終入場19:30)
【追加入場料金】高校生以上:+300円、中学生・小学生・幼児(満5才以上):+200円
【特別屋外展望台「天望パラダイス」貸切枠時間】19:50〜20:20(貸切時間内30分間)
【追加貸切料金】5,000円
おかしの世界に浸れる「わくわくランド」
通天閣の地下にある「通天閣わくわくランド」は、お土産をお探しの人にもぴったりのスポットです。お菓子メーカーのアンテナショップが営業する明るい空間が広がっており、映える仕掛けが満載のフォトスポットとしても知られています。休日は混みやすいので、ゆっくりと過ごしたい方は朝や夜がおすすめ。なお、入場の際は通天閣の入場料金を支払う必要はありません。
森永の「キョロちゃんのおかしなおかし屋さん」
お店の入り口でまず目にとまるのが、通天閣のショップらしさが感じられる「ビリケンさん」とコラボした「キョロケンさん」。ビリケンさんといえば足を撫でることで知られていますが、ここではキョロケンさんのくちばしを撫でてみると何かご利益があるかもしれませんね。
同店の人気商品は、できたての「キョロメルポップコーン」です。ほかでは手に入らないグッズやお菓子が多くあるので、ぜひチェックしてみてください。
江崎グリコの「ぐりこ・や」
大阪発祥の江崎グリコといえば、道頓堀で見かける大きい看板が有名ですよね。そのアンテナショップでは、訪れる人がつい楽しい気持ちになれる「ぐりこ・や」の限定商品やグッズが手に入ります。なかでも関西限定の「どて焼き丼」は、通天閣とのコラボ商品として評判です。
日清食品の「チキンラーメン ひよこちゃんSHOP」
日清食品も、大阪が本拠地の食品メーカーです。日清チキンラーメンの定番キャラクターである「ひよこちゃん」の愛らしいオリジナルグッズや、チキンラーメンを中心としたさまざまな即席麺が提供中。ここでは、ひよこちゃんと一緒に記念撮影するのもおすすめです。
「ビリケンさん」などご利益が期待できるパワースポット
「ビリケンさん」からパワーをもらえるスポットとしても有名な通天閣。ユニークな表情と大きな足の裏がトレードマークのビリケンさんですが、発祥は日本ではなく実はアメリカなんだとか。ルナパークの通天閣に設置されてから、今では大阪はもちろん国内では知名度が抜群の神様として親しまれています。
ビリケンさんに会いたい方は、黄金の展望台がある通天閣の5階へ足を運びましょう。黄金の輝く神殿に鎮座しており、神々しさを感じられます。三代目は黄金の神殿にぴったりな金髪が特徴で、ほかのビリケンさんと比べて、なんだか強いパワーをもらえそうです。
さらに、通天閣では「八福神めぐり」ができるのも注目ポイント。合格祈願・商売繁盛・縁結びなどの願いを叶える「七福神」に、願いの種類を問わない「ビリケンさん」が追加された八福神に手を合わせれば、ご利益が得られること間違いありません。
御朱印帳を購入すれば、スタンプラリーのように八福神めぐりを楽しめます。神殿のすぐ横には絵馬やおみくじもあるので、叶えたい夢を絵馬に書いたり、おみじくを引いたりしてみてください。
新世界の歩んだ歴史を学べるミュージアム
通天閣3階のトップフロアーでは、「新世界」に関する展示を楽しめます。約100年前のジオラマや写真、映像などを通して、通天閣のある新世界が歩んできた歴史に触れられます。
初代通天閣があった「ルナパーク」の歴史は、約100年前まで遡ります。当時は動物園や絶叫マシーン、大型スパなどがあり、最新技術を肌で感じられる夢の国として愛されていました。なお、戦争の影響を受けて取り壊しされた通天閣は、今と見た目が大きく異なります。
細部までこだわった再現度の高いジオラマでは、ルナパークと通天閣をつないでいたロープウェイを動かすことも可能です。まさに、100年前の大阪の様子を知れる貴重なスポットだと言えるでしょう。
シアタールームに訪れれば、ルナパークから初代通天閣、そして2代目通天閣と歴史が動く様子を音楽と映像を通して学べます。通天閣への知識を深めることで、大阪観光がより有意義なものになるはず。
ほかでは手に入らない通天閣オリジナルグルメ
通天閣の歴史に触れた後は、ついうれしくなる通天閣グルメで休憩してはいかがでしょうか。同じ階のトップフロアーにある「Café de Luna Park(カフェ・ド・ルナパーク)」は、「マザー牧場」のプロデュースによるカフェです。
目玉グルメは「通天閣パフェ」で、高さ21cmとあまりの大きさにはつい声が出てしまうほど。ぷるぷるのフルーツミックスゼリーやソフトクリームのほか、可愛らしいプチシュークリームがトッピング。一つの商品でいろんな味を楽しめる、通天閣で忘れず味わっておきたいグルメです。
さらに、通天閣店でしか出会えない「ミックスジュース」は、マザー牧場の濃厚な牛乳とフルーツの組み合わせがやみつきになること間違いありません。リーズナブルな価格帯で手が出しやすく、期間限定メニューも提供されています。
大阪を象徴するライトアップ
夜になるとライトアップされる通天閣は、今では大阪の夜には欠かせない存在感です。2017年には、通天閣に設置されてから60年間ずっとアナログだった大時計がリニューアル。LEDビジョンに代わり、季節感のある動画と一緒に時間が映し出されます。シーズンごとに違うライトアップを通して、季節の移ろいを感じるのも良いかもしれませんね。
通天閣の頂上にある丸い部分が何を表しているか、知っていますか。これは豆知識ですが、実は明日の天気予報を意味しています。通天閣と気象台が結ばれていて、白は晴れ、青は雨、オレンジは曇りなど、簡単な色の組み合わせで明日の天気をお知らせしているんだとか。外から通天閣を眺める場合は、ついでに頂上の様子も確認してみてくださいね。(※光の天気予報は、2022年7月をもって終了しました)
また、通天閣の下へ潜り込んで上を見ると、幻想的なデザインの天井画が目に入ります。地上約12mの位置にある直径約17mの8角形に、花園で優雅に舞う3羽のクジャクが表現されているのがわかります。夜にはライトアップされるので、天井画もあわせて覗いてみてください。
施設情報
通天閣
【営業時間(一般展望台)】8:30~21:30(最終入場は21:05)
【休館日】年中無休
【料金】大人 (高校生以上):900円、中学生/小学生/幼児(5歳以上):400円
【住所】大阪府大阪市浪速区恵美須東1丁目18-6
【TEL】06-6641-9555(9:00〜18:00)
【駐車場】リパーク通天閣第5(22台)他にも周辺に多数あり
【問い合わせ先】
- [お問い合わせはこちら] https://www.tsutenkaku.co.jp/contact/index.html
- [公式ホームページはこちら] https://www.tsutenkaku.co.jp/index.html
アクセス情報
電車で行く場合
- 大阪市営地下鉄 堺筋線「恵美須町駅」3番出口徒歩約3分
- 阪堺電車 阪堺線「恵美須町駅」徒歩約3分
- 大阪市営地下鉄 御堂筋線「動物園前駅」1番出口徒歩約6分
- JR大阪環状線「JR新今宮駅」東出口徒歩約6分
- 南海電車 南海本線「新今宮駅」西出口徒歩約10分
車で行く場合
- 下り線:阪神高速1号環状線 「夕陽丘出口」から約5分
- 上り線:阪神高速1号環状線 「なんば出口」から約6分
よくある質問Q&A
- 小さな子どもでも楽しめますか?
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十分に楽しめます。ちょっとしたゲームに挑戦したり、フォトスポットへ訪れたりしてみてください。ただ、階段を使う場所が一部あるので、ベビーカーを利用する方は少し大変かもしれません。
- 展望台で気をつけることはありますか?
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天候によっては、屋外の特別展望台に登れないことがあります。柵があまり高くはないので、持ち物が飛ばされないよう注意してください。